二人の変態と一人の可哀想な女の子の話。






どちらが良いかと言われても正直どちらでもいいだけど、そんなことを言えば二人が揃って反撃に出て来るのは手に取るように分かるのでそういうことは絶対言わない。でも片方の名前をあげろと言われてもそれこそ適当になってしまうのでちょっと不憫だし絶対言わない。だけどこのまま何も言わないでいるといつの間にやらどこか似ているこの二人が結託し、うざさ倍増する気がする。言いたいのは、そう…私はどうすればいいのでしょうか、という。

「おはようございます。クフフ、良い天気ですね。二人の愛を育むには最高の日和ですよ!」
「あーおはよう六道君。ごめん、ちょっと通行の邪魔だからどいてくれるかな」
「いきなり六道君などと名字を呼んで…、照れなくてもいいんですよ。僕達が名前を呼び合うなど決まりきったことじゃないですか。まあそんな照れ屋なも可愛いですが!」
「………(周りの人に知り合いだと思われたくないからだって、何で分かってくれないかな…)」

人間の意思疎通って難しいなあ。目の前で一人ぴーちくぱーちくわめいている骸を見てそう思う。こんな近くにいるのに思ったことが通じないんだ、いじめや差別が起こってもおかしくないな。うん。

…そろそろ僕達、結婚しませんか?」
「ねえそのさも前からそういう関係ですみたいな言い方止めてくれる?」
「え…!」
「違ったのって顔で驚くのも止めて欲しいんだけど」

どうしてこの人はこう一挙一動が突っ込みどころ満載なんだ…。呆然と立つ骸を放ってそのまま歩く。「!待ってください!」猛スピードで追ってきて腕を掴まれた。「…離して欲しいです」「僕は待って欲しいです」「………(はあ)」大きく、骸にも聞こえるぐらい大きな溜息をつく。彼の腕がゆるまった隙にばっと振りほどいた。また歩き始め、途中で振り返る。

「どうしたの。行くんでしょ、学校。立ち止まってたら遅れるよ」
…っ!」

声をかけた瞬間笑顔で走りよってくる…犬みたい。犬(けん)よりよほど犬っぽいなあ骸って。その辺にいる犬と、骸と犬(けん)、一匹と二人を比べてみたらなんだか笑えた。「…?」「あ、ごめん。…犬、みたいだよね。骸って」「…そんなこと初めて言われましたよ」面食らった顔をする彼にそう?と返す。だって、犬みたいじゃないか。寂しいと一人で離れて、嬉しいとすり寄って来る。…やっぱ犬だなあ。

「まあそうですね…犬、なんて可愛らしい獣だったらいいですね」
「ん?どういう意味?」
「ほら言うじゃないですか。男は皆オオカぶふっ!」
「!」

聞き返したら何故かぎゅ、と両肩を掴まれたので警戒態勢に入る私。予想通りの言葉がきたなあと逸らした目の端に、黒い何かが動くのが見えた。それが何なのかは彼の言葉が途中で途切れたことで分かった。…嫌なものって一つだとまだ扱いがあるけど…二つあると、手に負えない。

「僕のに汚い手で触れないでくれる」
「っひ、雲雀恭弥くん…!」
の横にいるのも許さないよ。それからに話しかけるのも。あとの半径1…いや、10…ううん違うな、100メートル以内に入るのも勘弁して欲しいね。ていうかと同じ世界に存在するの止めてもらえる?」
「(全面否定!?)」

変態な骸を撃退してもらったのはすごく有り難い、んだけど…このさも当然のように肩に回された手は何かな。「…あの、雲雀さ」「恭弥って呼ぶ約束だよね」「いや、でも雲雀さんは雲雀さ」「キスするよ」「…………恭弥」「うん、何?」名前を呼んだらいきなり笑顔になりやがった…!何で私の周りはこう犬みたいな連中ばっかりなのかな…。爆弾大好きだったり、野球好きだったりな後輩もいるし。

「えーと、出来ればこの肩に回された手をどうにかして欲しいなーと」
「無理」
「え、いやだからあの「無理」
「…………(この人こんな我侭な性格だったっけ…)」

言葉ひとつひとつを遮られると人間ほんと発言する気なくなっちゃうものだ。私も…諦めた。それにどうせこんなことしてたらもう一人の変態が…「雲雀恭弥くんその手をはなしなさい!」…ほらきた。ばし、と恭弥の手をはたいて私の肩を抱いて、また恭弥がトンファーで殴って倒れた隙に肩を抱いて、骸が起き上がって手をはたいて私の肩を抱いて、また恭弥が……もう駄目。疲れた。

「ほら見てみなさいが疲れているでしょう!大丈夫ですか、?」
「馬鹿言わないでよねが疲れてるのは君の所為だよ。、応接室で休もう」
「それよりも黒曜中で休んだ方がいいですよ。煩くする連中が全くいませんからね」
「応接室の方が僕だけだから静かに決まってる。君のとこは君がいるから煩いよ」
「その台詞そっくりそのまま貴方にお返ししましょう。貴方がいたらが安心して休めません」
「変態に言われたくないね。を見たら発情しか出来ない変態のくせに」
「くふふ、そういう貴方こそを見たら性欲しか感じない変態じゃないですか」
「…ちょっとそこの変態二人ほんと黙ってくれない?」

こういう時に使う言葉って何だっけ。うんざり、げんなり…ああなんかその辺の言葉全て当てはまってしまう。いい加減愛想も尽き果たして(何回愛想尽かしたか分からないから)言い争う二人をおいて先に一人で学校へ向か…「「待って(下さい)!!」」…こういう時だけ息がぴったりな二人は、同じ速さで私の両横に並ぶ。「先に行くなんてひどいじゃないですか」「一緒に行く約束じゃないの、」溜息は…もう出ない。ただ代わりに物凄く、誰かに助けを求めたくなった。

、放課後学校が終わったらマッハで迎えにいきますね!」
「悪いけど同じ学校の僕の方が確実に速いからさ。放課後は応接室でゆっくり過ごそうね、
「愛の前にスピードなんて皆無ですよ。放課後はの好きな場所に行きましょう、どこにでも!」
「かっこいい台詞使ったからって時間は変えられないよ。確かは人がいない所が好きだったよね」
「僕の足の速さをなめないで欲しいですね。公園なんかは好きですか?
「公園に誘う君はやっぱり変態だね。妄想でもしてるんじゃないの」
「応接室で二人で過ごそうなんて思う君の方が変態ですね。頭大丈夫ですか」
「…ちょっとそこの変態二人まじで黙ってくれない?」









(誰かこいつらどうにかして!)