閑話。(沢田綱吉編)







「うちのボスはねえ、どのファミリーのボスよりもダントツで素晴らしいと断言出来るわ!強さも人一倍、気高さも人二倍、優しさも人三倍、全てにおいて人四倍なんだから!とにかく、ボスに手を出す奴は誰であろうと私は絶対に許さないの。、この命懸けてもボスを生涯お守りします!」(ボスにゾッコンちゃんより)




自分で言うのもなんだけど、は俺に関する話になるとほんと我を忘れてしまう。は可愛いし勉強も出来るから、唯一の欠点らしい欠点といえばやはりそこだろう。だけど本人にとってはただ素直に俺を守りたいと思ってのこと、故に俺もどうしても厳しくなれないというか。山本に至っては俺に一生懸命なを可愛いとさえ思っているらしい。(山本、まさか…)…ああ、でも。もう少しぐらい落ち着いてくれた方がいい、かも?

「ハローボス!今日もご機嫌麗しゅう!」
「や、やあ…(ハロー…?)」
「授業中なんだか分からないとこがあったみたいですけど、私で良ければ教えますよ」
「あ、ほんと?じゃあこの大問3の(2)なんだけど…」
「これはですね、中点連結定理を使って解くんです。それを使えばこれがこうなって…」
「!そっか…そうなるんだ…。すっごい分かりやすいんだな、の解説。ありがとう」
「えへへー。ボスのためならこれぐらいお安い御用ですよ!ところでボス、アジトの件でちょっと」
「アジト?ああ、リボーンが勝手に話してたやつだろ。駄目駄目、あの話はなしだよ」
「なし、ですか」
「大体応接室を使おうとするのが間違ってたんだ。ヒバリさんがいる場所だっていうのに…」
「ヒバリさん…?」
「風紀委員長だよ。でも不良の頂点に君臨するとかで、とにかく凄い怖い人なんだ。めちゃくちゃ強いし」
「…ボスはお手合わせしたことがあるんですか?」
「あれはお手合わせなんてものじゃなかったよ…。一方的に俺と山本と獄寺君がやられてさ」
「へえ…」
「ま、危ない!てとこでリボーンが来てくれたからよかったものの、もう少しで病院送りにされるとこだったよ」
「……………」
「だからアジトの話は終わり。もうなしなんだ」
「……そうですか」

にっこり。話し終わって を見ると今まで見たことのないような笑顔で笑ってる。普通ならそのまま流していいんだろうけれど…何故か、俺の中では妙にひっかかった。嫌な予感、が。

「… 。まさかと思うけど…応接室に行くつもりじゃないよな?」
「…当たり前じゃないですか!いくら私でもそこまで無鉄砲じゃないですよ」
「だ、だよなー……あはは…(…少しの間が気になる)」
「そうですよ、あはは」

そう、俺はのことを甘く見ていたんだ。のことを知っているつもりでいた…だから気付かなかった。始めに自分で言ったんじゃないか、『は俺に関する話になるとほんと我を忘れてしまう』と。

「じゃあボス。私は用事があるのでこれで」
「ん?ああ、じゃあ…」

真っ直ぐ教室を出て行くを見送って、俺はまた机の向かった。少し何か引っかかりながらも、そこまでは気にならなかった。…否、気にしなかった。




「………すいませんボス。やっぱり…どうしても許せないんです