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「。これ、後で事務室に届けておいて」 ぎろっと睨まれてしまいいいえ滅相もございません!と謝り書類をもらう。その書類を見て分かった。…これ…私の家の窓の修理費だ……。あの時の言葉は半信半疑だったんだけど、ほんとに払ってくれるんだなあ。いやそれが当たり前なんだろうけど、雲雀さんがそんな普通の人みたいなことをするのは正直驚きだ。(言ったら怒られるから絶対言わないけど!)雲雀さんて…人のことどうでもフリしながら、ほんとは誰より人のこと考えてる。風紀委員だってきっと、それでなっているんだ。…こうやって少しずつ、雲雀さんのことを知れていけたらいいな。優しいとことか、変なとことか。ちょっとずつ、でいいから。 「ありがとう、ございます」 小さくそう呟いたら雲雀さんは面食らった顔をして、それを隠すかのように顔をそらすと「…べつに」と漏らした。私はまた、微笑する。人にお礼を言われるのは慣れていない、意地っ張り。今まで意味の分からなかった雲雀さんが、たった1日、しかもちょっとの時間だけでこんなに近くに感じることが出来るなんて。世の中って不思議だなあ。何が起こるか分からない。 「………」 何かを探すように書類をどけて乗せてを繰り返しているので尋ねる。「遅刻者リストが、ないんだ」「遅刻者リスト?」「それを見てよく遅刻する人物にチェックしないといけないんだけど…」チェック、っていうのがどういう意味なのかは深く追求しないでおいた。お決まりの雲雀さんの文句が出てきそうだから。でも遅刻者リストがない…か。雲雀さん、意外に結構しっかりしてるし(それともこれは意外じゃないって言うのかな?)無くすってことは…まずない、な。ってことは多分先生の誰かが持っているんだろう。さっきから探し続けてて今必要みたいだし…うん。 「私、職員室に聞きに行ってきます」 立ち上がって今にも行きそうな雲雀さんを慌てて制する。全く…少しぐらいは私を頼ってくれてもいいのに。「いいですよ、すぐに行って帰ってきます」「………」それでも不満そうな表情を浮かべるので付け加えておいた。「私が行く方が先生達も安心ですよ。雲雀さんが行ったら職員室が緊迫状態になっちゃいます」「…咬み殺されたいの」「まさか!」雲雀さんのお決まり文句を上手く返し、じゃあ行ってきますと応接室を出る。職員室へは…こっちの廊下だっけ。 「なんか…楽しい、んだよね…」 書類整理が好きなわけでもないのに、風紀委員の仕事はすごく楽しく出来る。恐れられている風紀委員の面々も、なかなかに愉快な人が多いし。(草壁さんとか)…頑張ろう、委員の仕事。嫌々というか仕方なく入った風紀委員だけど、今では自然とそう思えた。…私ってやつは、大事なことも、忘れて。
「獄寺。どうしたの、いきなり」 普段と獄寺の様子が違うことにはすぐ気付いた。声をかけても、ただ真っ直ぐとこっちを見つめたまま。「何そんな真面目な顔して…」抜け出ようとしたけれど、獄寺はしっかりと私の腕を握って止めようとはしない。どうしたんだろう、一体。…ごく、でら?(何で、そんなに怒ってるの?) |