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応接室の扉を開け、あ、雲雀さんだと姿を確認したかしないかという時にその声は響いた。うおおご立腹…!ここは素直に謝った方がいいだろうと謝罪しながら扉をゆっくり開ける。椅子に座ってこっちを見ている雲雀さんのその表情は本当に…その、不機嫌丸出しで。「す、すみません雲雀さんごめんなさい!」謝ってと言われずともつい謝ってしまう、そんな雰囲気を醸し出していた。(簡単に言うと怒ってるってことですね!) 「僕さ、昨日、早く来てって言ったばっかだよね」 おおおおお怒っていらっしゃる…!(がたぶる)何てこった、雲雀さんが怒っていらっしゃるよ!こんなに雲雀さんが言葉を積み重ねてくるのは初めてだ。…余程ご立腹とみた。そ、そりゃあそうだよね。約束して次の日に早速忘れるとか、私だって馬鹿だと思うってもんだ。ば、ばかばか私!ほんとばか!ばか! 「ほ、ほんとすみませんでした…」 言ってしまえば、寝坊、ですけど。口には出さず心の中で呟く。流石にこれだけ怒っている雲雀さんに「寝坊した」と言えるほど私には度胸はなくて、嘘はつかず、本当のことも言わないでおく。その返事に納得したわけじゃないだろうけれどあまり気にもしていないのか、「そう」とそれだけ言うとその話題は終わってしまった。助かった…!ここで寝坊なんて言いようものなら雲雀さんのことだ。「じゃあ僕が起こしに行ってあげるよ」と言いかねないもんなあ。それだけは困る。ほんと困る。 「上から見てたよ。…一緒に来てたのは誰?」 雲雀さんの質問に正直に答えたら軽く溜息をついて視線を逸らされてしまった。な、何故!?それにしても上から見てたって…この部屋から校門は見えたっけ?まあどうせ廊下を通っていたらたまたま見えたとかそういうのなんだろう。気にする必要もないかな。またこっちを向いてきた雲雀さんは相変わらず不機嫌で、へたな発言は出来そうにもない。 「友達は…手を繋いで、一緒に学校に来るものなの?」 さっき言わないでおこうって決めたばっかのくせに!ば、ばかばか私!ほんとばか!ばか!もうほんとそこらへんに穴とかあったら入りたい!それよりもこの応接室から出たい!(けどこの応接室の外には雲雀さんが手配した委員会の人がいるような気がするんだよね)(そして私が出てきた瞬間捕まえてまた中にいれられる気がするんだよね)謝ったまま暫く頭を下げておく。一分、二分ぐらい経って雲雀さんの腹の虫も収まっただろうかと恐る恐る顔を上げる。あれ?顔を上げて雲雀さんを見た時、私は首を傾げてしまった。雲雀さん…笑ってる?怒って、ない?そうかそうかやっと雲雀さんも分かってくれたか!朝早く起きることがどれだけ辛いかということを。よかったよかったそれなら安心。きっとこれから雲雀さんが「分かったよ。じゃあ明日からは普通通りでいいから」という優しい言葉をかけてくれ… 「じゃあ僕が起こしに行ってあげるよ」 …わっつ? 「は朝起きるのが苦手なんだろ。それならこの僕が起こしにいってあげる。そうすれば遅刻もないしね」 …はい? 「よかったね。明日から朝も僕と一緒だよ」 あれー?なんだか私が頭の中で考えていたのと全然違う方向に話がいってるよ?「君の家は生徒名簿を調べれば分かるだろうし、言わなくていいよ」しかも雲雀さんものすごく嬉しそうに話すんですけどそれって一体どういうこと?優しい言葉で言ってくれてるけど、これって…発言権がないっていう例のアレですよね?「ちゃんと1時間前には準備済ませといてね」え?まじで雲雀さん来るんですか?朝起こしに家に来るんですか?( あれ? )
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