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「あああどうしよう…今応接室に雲雀さんと二人きりってこの状況はかなりやばいです!ソファに向かい合う形っていうのもかなりやばいです!こうやって前を見たら雲雀さんと目が合っちゃうんですよ!?視線が交わっちゃうんですよ!?わ、なんかそう考えると本当に胸がどきどきして…ととと止まりませんよ雲雀さん!胸のどきどきが止まりませんよ!なんか雲雀さんを見ると胸がきゅーって締め付けられるように苦しいです、その目があたしを見てるかと思うとまじで涙でそうです…。雲雀さん一つ聞いていいですか!この気持ちって恋でしょうか!」
「…うるさい」
「すいませんうるさかったですかすいません…!ひ、雲雀さんに嫌われたらあたしどうしたらいいんでしょうか…。し、死ぬべき!?そうですよねだってあたしは雲雀さんに愛されるために生まれてきた(少し照れる)んですから!あ、勿論雲雀さんはあたしに愛されるために生まれてきたんですからね!大丈夫ですよ安心してくださいあたしは雲雀さんの骨の髄まで愛し尽くします!」
「うるさいって言ってるのが分からないの」
ぎろっと睨み付けるようにこっちを見、低い声で呟く雲雀さん。その口調や視線は他の人からすれば『身の毛もよだつ』とか『背筋がぞくっとした』とかそういう反応をすべきものなんだろうけれど、ああ愛の力って恐ろしい、雲雀さんに命を捧げているあたしにとっては恐いどころか寧ろかっこよく素敵にしか見えないのだ。長年の経験で雲雀さんもそんなあたしのことを分かっているんだろう。はあ、と呆れたように溜息をつく。
「溜息つくと幸せが逃げますよ雲雀さん!まあもし雲雀さんの幸せが逃げた場合は私の幸せを雲雀さんにあげますけどねー。贅沢言うなら二人で幸せ共有がいいですあたし」
「君って人は…本当に、相変わらずだ」
「えへへー」
「褒めてないんだけど」
何言ってるんですか雲雀さん、相変わらずって台詞は久しぶりにあった仲のいい男女の挨拶に使われる言葉ですよ。ムードがいい感じなる台詞ですよ。そう言えば雲雀さんは「…もういいよ」と何か言いたそうなのに諦めてしまう。こういう風に雲雀さんが何かを諦めるのは多いけど、あたしはそれは雲雀さんなりの感情の表現方法なんだと知っている。言い合いなんかせずに相手の意見を受け入れる、それって素晴らしいことだと思います。(そんな雲雀さんもアイラヴ!)
「あたし本当に雲雀さんに出逢えてよかったです!あの日あの時雲雀さんにあったのは偶然だけど、運命でもあるとあたしは思います。ああもう神様本当に感謝です…!雲雀さんに出逢わせてくれてありがとう貴方は恋の恩人です…!」
「…僕は、群れるのは嫌いだ」
「はい、知ってます。そんな雲雀さんもあたし大好きです」
「………………」
自分でも思ったより素直に『大好き』という言葉が出て来たことに驚く。確かにあたしは雲雀さんにしょっちゅう付きまとっているけれど(ちゃんと理解はしてるんだよ止めれないのは愛故!)、"すき"というその言葉を言っている回数は本当に少しだと思う。それほどあたしにとって"すき"という言葉は大切なもので、軽々しく出していい言葉じゃないから。…でも、雲雀さんにならいいんだ。あたしは本当に雲雀さんが大好きで、今二人で応接室にいられるこの時間が物凄く幸せだから。雲雀さんが立ち上がる姿が見えることも幸せだし、雲雀さんがあたしに近付いてくるのも幸せだし、雲雀さんがあたしを押し倒してくることも幸せだし、雲雀さんがあたしの上に覆い被さってくることも…あれ?
「ひ、雲雀さん何やってるんでしょうか!」
「君が言ったんだよ。僕のことを好きだって」
「い、言いましたけど!確かにばっちりこの口が言いましたけど!でもそれとこれは関係な…」
「さっきも言った通り、僕は群れるのは嫌いだ。そういう奴らは全員咬み殺してきた」
「だけどは特別だから、これで許してあげるよ」
よかったね、あたしが大好きな極上の笑顔で雲雀さんは笑う。どんどん襲いかかってくる雲雀さんに抵抗出来ないのは、「は特別だから」の台詞が効いているからだ。しびれ薬、みたいに、身体が、動かなくて。それなのに胸はどきどきしてる!こんなのってありだろうか。心地よい感覚に酔ってしまいそう。雲雀さんは答えてくれなかったけど、この気持ちは恋以外にあり得ないと思いますあたし!
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