今日何度目かの溜息を僕は吐き、彼女にちらっと目はやる。さっきから彼女は全然目をそらさずにこっちを見つめてきてばかりだ。その視線は僕には少し重く、そのくせ僕を嬉しくさせる。

「雲雀、早く答えてよ。あと30分もないんだけど」
「だから僕は何もいらないってさっきから「何もいらないはなし」

誕生日の前日、どうせなら誕生日は学校で過ごそうと応接室でいつも通り仕事をしていたのはいいものの、そこに急にがやってきた時には驚いた。しかもやってきて「誕生日には何が欲しい?」だ。普通そういうのは本人に聞かずに自分で考えるものだろう、と言いたくなる気持ちを抑えてとりあえず「何もいらない」と答えてもは納得出来なかったようで、応接室に居座っている。夜中なのに、僕が誕生日に何が欲しいかなんて、そんな下らないことだけを聞くために。

「君って人は、本当に分からない」
「うん?」
「僕が欲しいものなんて知ってどうするの。それをくれるの」
「あげるよ」
「…なんでも?」
「なんでも」
「じゃあ君をちょうだいよ」

は少し驚いた顔で僕を見る。ああほら、やっぱり君は嘘をついてたんじゃないか。期待させといて今更無理なんて、君は本当にひどいやつだ。だけど違った。君はちょっとしてすぐに笑ったんだ。草壁か誰かからのメールだろうか、携帯の着信音が鳴る。僕はメールを見ようと携帯を開いて、ちょうど今0時になり僕の誕生日を迎えたことを知った。携帯のメールは目の前のからだ。

『雲雀、誕生日おめでとう。好きだよ』

その時の僕は一体君にどんな顔をしていた?上手く笑えてたら、いいんだけど。




ミッドナイトスター
(真夜中、鮮やかに輝きだす)




(20070505 祝雲雀誕生日)