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「雲雀、雪よ!」 辺り一面真っ白なその光景は決してこの季節には珍しいものではないだろうに、そんなことなど関係ないとばかりに彼女は走り白い絨毯に足跡をつけては喜んでいた。クリスマス。元は祝日でも何でもなかったその日は既に今日では一つの行事となっていて、それが今、この時だった。雪を触りはしゃいでいるを見て思い出す。
「あ、ありがと、雲雀」 結構強く言ったつもりだったのに…何で怒ってるのに楽しそうなの。そんなに雪が降ったことが嬉しい?そんな、怒られたって全然気にならないぐらいに?またちょっと雪に嫉妬しまったかと思えば、彼女の笑顔を見れて雪に感謝…この繰り返し。全く、僕もほんと成長しない。いつか例えば今みたいに短気じゃなく優しく包み込めるような人になれたら、雪に嫉妬なんて下らないこともなくなって、笑顔のを見て僕も嬉しくなる、なんてことがあり得るだろうか。何だか今の僕にとっては、想像も出来ない未来だけど…なれたら、いいなあ。そんな、心の広い人間に。に男が近付いたって「僕の、なんだけど」ってその一言で全部済ませられるような、人に。(今はに近付く男は例外なく咬み殺しているから) 「寒いねえ、手が冷えちゃった」 ほんと。そう言いながら僕はの手を握り、自分のポケットに入れた。雪で遊んだ所為ですっかり冷えた彼女の手は、何もしていない僕にとっては丁度良い温度だった。僕が握ると彼女の手は少し、あたたかくなった気がして、別に特別でも何でも無いのに、嬉しくなった。僕という存在が、の存在を変えている。たかが手の温度でそこまで考えちゃう僕はやっぱり馬鹿なんだろうけれど、横のが笑っているのを見たらどうでもよくなってしまう。また、笑顔なんだね、君は。 「ほんと、あったかいね」 ぎゅ、とが僕の手を握り返してきた。うん、あったかいよ。手だけじゃない、心も、身体も、あったかいよ。雪のおかげで溢れてくる君の笑顔だけど、僕は、思うんだ。きっと雪が降らなくたって、君は笑ってくれるだろうって。だって僕、いつも君の笑顔ばっかり見てる気がするんだ。君が怒ることなんてせいぜい、僕が理由も無く喧嘩した時とか、それぐらいで。…ああ、だったらそうか。僕がしっかりしてさえいれば、君はずっと笑っていてくれるのかな。………それなら僕、頑張ろうと思うんだ。生きる意味なんて知らない僕にも、今、生きる意味が出来たよ。君を笑顔でいさせることが、きっと僕の使命だ。 「」
(見てろよ神様、 の笑顔は絶対に絶やさないから)(スノースマイル/BUMP)
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