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*** 06 あれから3年。獄寺も少し成長し、大きくなった。だが心から愛する者は、見つからない。ルーナの想いにも、もちろん応えてなどいない。 は、あの後ボンゴレから姿を消した。10代目ボスに獄寺が聞いたところ、「マフィアを止めたいといつも嘆いていた」らしいから、10代目ボスがこっそりファミリーを抜けさせたんじゃないかと考えている。何でが消えたのか。本当にマフィアが嫌になったのかもしれないし、ルーナと顔を合わせたくなかったからかもしれないし、山本への愛に応えられないのが申し訳なかったからかもしれないし、それとも単純に、獄寺と会いたくなかったからかもしれない。 獄寺は今でもを思い出す。を思い出し、どうしようもない思いに駆られ、一人夜自分のものを自分で制御する。壊れてしまったのだ、人間として。任務の途中で気分が悪くなり、吐き気を催すこともよくある。急に泣いたり、叫んだり、精神的に病んでしまった。 好きだ。好きだ、好きだ。今でもの夢を見ては、獄寺はその幻影に心奪われる。が生きているかどうかも分からないのに、想いは止むことを知らない。周りは皆揃って獄寺を心配している。獄寺はそれでもを愛している。愛し続けていたし、愛し続けているし、愛し続けるだろう。 輝きを失った石になどなにの価値もないのに、獄寺はそれを探している。いつか見つかるんじゃないかと信じて止まない。誰か教えてあげてはくれないだろうか、現実を。獄寺は、今もどこにでもある街中の小さなカフェテラスに腰掛け、丸テーブルの上に濃いめのエスプレッソを置き読書に集中し、誰かを待っている。もしそんな少年と巡り会わせたならば、「何かお悩みかな?少年」と声をかけてあげるべきだ。そうするだけで、少年は、救われる。 |
失われた輝石
(うしなわれたきせき、奇跡)