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『なぁお前あれ冗談だろ?冗談であんなこと言ったんだろ?』
『冗談なんかじゃないよ。冗談で別れようなんて言う程私馬鹿じゃないもん』
『いやお前馬鹿だろ。俺がいきなり別れようって言われただけで納得すると思ってんのか?』
『納得するも何も別れようってあたしが言ったんだから別れるしかないでしょ』
『意味分かんねぇよ…何でいきなり』
『だからそれも言ったじゃない。あたしツナ君が好きなの、ツナ君のこと好きになっちゃったの』
『それがおかしいだろ。お前今まで10代目のこと散々言ってたくせに』
『ツナ君の魅力にやっと気付いたんだよ。獄寺がいつもツナ君の話ばっかするから考え直したんだ。…ねぇもういいでしょ獄寺。話も終わったし、電話切っても』
『…………』
ああ言ってしまった。きっとこれで全てが終わる。暫くして聞こえてくるのは空しいツーツーという受話器音だ。それであたしは過去を悔やみながら必死に歩いていかなきゃだめになる。
獄寺がツナ君を敬愛してることは知ってたよ。知ってたけど獄寺が好きだったんだよ。でももうだめだ。これ以上やってけない。いつだって獄寺にとっての一番はツナ君で、あたしのことなんて二の次。それがどれだけ辛かったか分かるだろうか。
だからね、これで少しは楽になる。獄寺の好きなものをあたしも理解するんだ。反発して嫉妬するだけでなく、あたしもそれを愛すの。そうしたら獄寺、あたし達、きっと上手くいくよね?
『…俺が悪かったよ。ほんと悪い、ごめん』
『は?何言ってるの獄寺が悪いとか言ってないじゃん』
『事実がどうであれ俺に悪いとこがあったのは本当だ。だからごめん』
『そんな、こと』
『けど、好きだ。
』
『……………』
『俺やっぱお前が好きだ。…別れたくなんかねぇよ』
『…じゃあ、じゃあ、もし、あたしが、ツナ君に襲われたって言ったらどうする?』
『は、?』
『例えだよ。例えだけど、ツナ君に獄寺なんか止めて俺にしろって言われたって言ったら?無理矢理キスしてきたとか言ったら?そしたら獄寺どうする?どうもできないでしょ?』
どうかできるわけがない。だって獄寺は、そういう人だ。何よりも誰よりもツナ君を大切にしてるんだ。…あたしのために、何かしてくれるわけがない。
『お前が、どういう答え望んでんのか分かんねぇけど』
『……………』
『少なくとも俺は、もしも10代目がにそんなことしたら…俺は10代目を、絶対許さねぇよ』
『……………』
もう泣かないって誓ったのに、君が、そんなことを言うから。
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